2)愛橘博士は家族に恵まれなかった。



博士は幼い頃に母を亡くした。父の再婚で母と呼んだ人は3人だという。東大助教授時代に結婚したが、娘が生まれるとすぐ、妻を亡くした。結婚からわずかに一年あまりであった。
その後、博士は生涯再婚しなかった。それが明治時代であり、ましてや博士の地位などを考えると、これは大変な事だと思う。
驚いたことに、博士の父は切腹で命を絶っている。時代が明治に変わった頃の混乱の犠牲ともいえそうだが、最後まで侍として死んでいった。
愛橘博士の胸中はどんなだったであろうか。